【ITコンサルタントがおくるDX推進コラム-空を仰げば-】
第12回:業務棚卸のススメ

第12回:業務棚卸のススメ
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の空井(ソライ)と申します。
DX関連の情報をお伝えさせて頂くコーナーです。今回は 12 回目。
皆様のDX推進の気付きになれば幸いです。
前回のコラムでは情報資産の棚卸のお話をしましたが、今回は業務の棚卸について取り上げます。
DXの推進や、新しいシステムの入替に関するご支援をしている際に、必ず現状分析を実施しています。
現在の業務についてヒアリングする際に、業務一覧や業務フロー図のご提示をお願いするのですが、ご提示いただけないことが多い印象です。
提出されたとしても、一部の業務フローであったり、数年前のものであったり、今の状態が正しく反映されていないことがあります。
●バックオフィス部門の課題
人手不足、業務の属人化、非効率な業務プロセス等が、バックオフィス部門のよくある課題として挙がってきます。
しかし、具体的に何名不足しているのか、どの業務が誰に集中しているのか、非効率な業務プロセスはどれなのかを示すことができないことが多いのではないでしょうか。
課題がぼんやりとした不鮮明な状態では、根本原因を特定することが難しく適切な解決策をみつけることもできなくなります。
そこでお勧めするのが、業務棚卸です。
●なぜ業務棚卸が必要なのか
バックオフィス部門の課題を解決し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させるためには、まず現在の業務の棚卸が不可欠です。
業務棚卸を行うことで、現行のプロセスや業務の全体像を把握し、無駄や重複を見つけることができます。
これにより、業務効率化の余地を見つけ出し、人的リソースを、どこに配分すべきか明確になってまいります。
また、業務棚卸は新しいデジタルツールやシステムの導入をスムーズに進めるための準備段階としても重要です。
現行の業務フローを理解することで、新しいアプリケーション・ツールの適用範囲や影響を正確に評価でき、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
●業務棚卸方法
まずは、Excelのシートに、それぞれ担当している業務を列挙し、一覧化します。
※項目例 「業務名」、「業務概要」、「担当者」、「頻度:年次、月次、週次、日次」
次に、列挙した業務の「目的」を記載します。
ここで「何のためにやっている業務なのか」がわからないものがでてきたら、やめる業務(無駄な業務)の候補になります。
さらに、各業務にかかっているおおよその時間を記入します。
これにより、個人別や業務プロセス全体に必要な業務工数が可視化されるので、要員の過不足も明確になってきます。
●定期的な業務棚卸
業務棚卸は一度行えば終わりではなく、定期的に見直しを行うことが重要です。
ビジネス環境やIT技術の進化に伴い、業務プロセスも変化していくため、継続的な改善が求められるからです。
在庫の棚卸と同じく、年1回は実施して「業務の価値」を評価するようにしましょう。
業務棚卸は、バックオフィス部門の課題解決やDXを推進するうえで必要な準備作業だけでなく、継続的に改善するための仕組みとなります。
経理部門が決算業務をするのと同じく、業務の決算(業務棚卸)を定型業務に組み込み、進化し続けるバックオフィス部門を目指しましょう。
配信日:2025年3月26日
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