【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第38回:推し案を出せ
第38回:推し案を出せ
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 38 回目。
「検討できる選択肢が増えると逆に選択が難しくなる」という「ジャムの法則(The Jam Study)」で有名な
シーナ・アイエンガー教授の書籍から引用。
「 言うまでもないことだが、万事に精通することはできない。
では選択の能力を、全体的に高めるにはどうすればいいのだろうか?
そのカギは、熟慮システムを通して、ヒューリスティックを利用した、または誤用した経験を一つひとつ検証し、
分類することにある。自分がなぜ特定の選択に到達したかを、自問自答するのだ。
鮮明なイメージや人から聞いた話に影響されすぎたのだろうか?
損失として提示されたがために、あの選択肢を尚早にも切り捨ててしまったのだろうか?
実在しない傾向やパターンが存在すると思い込んだのだろうか?
そのほか、自分がいま魅力を感じている選択肢を、選択すべきでない理由を考えてみる。
自分の見解への反証を集める、等々。
選択を行う前に、広範な視点からじっくり考えることがかなわなくても、後で自分の選択を振り返ることには意義がある。
たとえ後の祭りでも、自分が誤りを冒したことに気がつけば、そのまちがいを繰り返さずにすむはずだ。
わたしたちはだれしも、意思決定バイアスにとらわれやすいが、用心とねばり強さ、それに健全な懐疑心があれば、自衛は可能なのだ。」
― 出典:選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義
― シーナ・アイエンガー (著)、櫻井 祐子 (翻訳)
お客様へ将来の提案を行う場合や、困難な課題に対する解決策を提示する場面において、
複数の案を提示することが多々あり、細心の注意を払って取り組む業務の 1 つです。
2~3個、時にはさらに多くの選択肢それぞれについて、メリット・デメリットを提示し、
選択した場合のリスク・工数・費用などを整理していきます。勿論、選択しなかった場合も含めて。
そして、最終決断の時。「…で、君はどう思う?」と確認を受けることがあります。
よりお客様との距離が近くなればなるほど、より少人数の検討になればなるほど、この局面に遭遇する…
というのが私の肌感覚です。
これは、自身が心から支持し、自信を持って推薦する案やアイデアを表明する機会となります。
言い換えれば、責任を持って結果を追求できる機会とも言えます。
若い頃、常に上司からトレーニングを受けていました。「ほんで?お前の”推し案”はどれなの?」
「選択肢を並べただけ?差が無いなんてありえないでしょ?」「どれを推すの?その理由は?」と滾々と…。
当時は「詰問」に思えて苦痛でした。
思い返すと学生時代も同じように「オススメを持て」と助言を受けていましたね。(※第33回コラム参照)
“推し案”を出すためには、自分の強みや専門知識・経験をフルに活用し、
最新のトレンドや技術にもアンテナを張り巡らせておくことが重要です。
更に、独りよがりの意見にならぬよう、他者の意見やフィードバックを取り入れ、
練り上げる過程も欠かせません。
「推し案を出す」は、プロフェッショナルとしての自信と責任を表明する行為だと考えています。
結果は未知数でも、お客様にとって最適だと考える選択肢を示すことで信頼関係を築けます。
そして、もし結果が思わしくなければ、「しゃーない」と次の”推し案”を練り直しましょう。
選択の積み重ねが、成長と成功に繋がるのですから。
配信日:2024年7月12日
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