【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第47回:振り向かせる

第47回:振り向かせる
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しするコーナーです。今回は 47 回目。
前回のコラム(※第46回コラム参照)は、
自分から興味を持つことについて「技術だけでなく業務や人にも興味を持つことが重要」というお話をさせていただきました。
今回は逆に、「どうすれば他人に興味を持ってもらえるのか?」というテーマで考えてみたいと思います。
以下は、新時代の営業像を描いた書籍「チャレンジャー・セールス・モデル」の序文の一節です。原本出版は 2011 年ですが、今なお “新時代” を感じさせる内容です。
「 顧客アンケートをとるたびにわかるのは、顧客に考えさせ、新しい発想を持ち込み、
創造的・革新的な方法で顧客の事業をサポートするようなセールスパーソンが評価される、
ということだ。近年は、より深い専門性が求められている。自分たちが知らないことを
教えてほしい、と顧客は考えている。」
― 出典:チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
― マシュー・ディクソン(著)、ブレント・アダムソン(著)、(序文)ニール・ラッカム(著)、三木俊哉(翻訳)
「良いモノを作れば売れる」という時代は終わり、どうやって売るかという営業力や、
どう伝えるかというマーケティングが注目されています。技術畑で育てられた私としては、
この領域ばかりが注目を集めるあまり、商品力(技術力)が無いにも関わらず、この領域の力だけで
受注することは、正直、違和感を覚えることもあります。前提として「良いモノづくり」があり、
その上で正しく認知してもらう仕組みや仕掛けが重要なのだと思うのです。
実際にお客様から頂戴するご相談も、この領域に関連する内容が増えています。
・進行中の業務改革プロジェクトについて、どうすれば認知・浸透させられるか?
・社内 DX の取組みを、更に活性化させるためのノウハウはないか?
・新システム導入を企画するが、どうすれば業務に根付かせられるか?
何れも、突き詰めれば「どうすれば興味・関心を持ってもらえるか?」という問いに集約されます。
劇的で派手な策はなく、長期的に考え、愚直に繰り返すことが結局は一番効果的だと考えています。
例えば、我々が担う Power BI レポート導入プロジェクトの第一ハードルは「まず開いてもらう」こと。
そこから「日常業務で自然に参照される」段階を経て、最終的には「意思決定や業務改善のプロセスに組み込まれる」ことで、ようやく根付いたと言えます。
以下に実際の取組み施策を参考に挙げておきましょう。
・概要や利用方法を対面で説明するトレーニングキャラバン:全国の拠点へ行脚
・問合せ用のメーリングリスト・チームの作成:すぐにお問合せができるように
・社内ポータルの立ち上げ:入口を 1 つにして迷わないように
・社内ポータルのコンテンツ整備:お知らせ、リンク集、マニュアル、FAQ、お問合せ先、etc.
・現場主担当や推進キーマンとの週次定例会議:現場の状況や要望の吸い上げ、情報の密連携
・上手く活用されている部門(課・グループ)の事例作成・公開:活用事例のご紹介、人を繋ぐ
・週次なんでも相談会(予約制)の設置:気軽に会話、質問可能な “場” の提供
・活用度合い KPI 定義と目標設定、レポート化:活用度合いを可視化して公開
・最新情報や更新情報の定期配信:変更点や追加機能を確実に届け、利用を促進
いろいろと挙げましたが、アクセスログ分析によってヘビーユーザー/ノンユーザーを特定し、
現場主担当や推進キーマンに「該当者との非公式な会話をお願いする」が効果絶大です。
「○○さ~ん、BI レポートめっちゃ使っていらっしゃいますね。役立っていますか?」
「××さ~ん、BI レポート使ってくださいよ~。見方は分かりますか?URL 送りましょうか?」
どれほど完成度の高い BI レポートを用意しても、見てもらえなければ存在しないのと同じ。
「評価や評判がつき、皆が使い、改善要望がどんどん出て、業務が回る」という状態にして初めて、
浸透したと言えるのではないでしょうか。
そうそう…。弊社内で当部門の取組みとして始めた茶話会「コンCafe」(※第41回コラム参照)は、
月1回ペースで実施しており、第6回を終えました。会話やチャットで名前が出てくるのを耳や目にし、
徐々に浸透していく様子を実感しています。ただ、まだまだ伸びしろはあるハズです。
「振り向かせること」は、継続する忍耐が必要な奥深い仕事であると、意識させられています。
配信日:2025年9月18日
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