【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第22回:データと意思決定の狭間で

第22回:データと意思決定の狭間で

いつもお世話になっております。コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 22 回目。

第18回と同じ書籍から引用。
「意思決定の迅速化」や「意思決定を支援」などの文言は、BI・データ可視化の導入効果の常套句です。

『 情報やデータがあなたに代わって意思決定を行ってくれることはありません。』
― 出典:アート・オブ・プロジェクトマネジメント – マイクロソフトで培われた実践手法
― スコット・バークン

数字に強く、経験も豊富、自信に満ち溢れた経営層の方々の中には、常に会社全体や業務の数字が頭の中にあり、直観で正しい方向に導かれる方々がいらっしゃいます。 そのような方々から、我々のご提案や納品物に対して、「これらのデータは分かり切ったこと」「当たり前の情報を出しても意味が無い」とご指摘頂くことがあります。
時には「ウチには不要」と一蹴されることも…。

確かに、時系列の実績推移・KPI達成率・進捗率など、数字が示すのは過去に起こった結果がほとんどです。必ずしも次に起こることを示している訳ではありません。
(※最近は「予測の可視化」の動きもありますが…)

但し、費用や納期が厳しいプロジェクトが多く「費用対効果を証明する資料が無いと取組みが開始できない」などの声を聞く中でも、「情報やデータをしっかりと把握した上で、 各社員に先を見る力(データを読む力)を養って欲しい」という経営層の熱意と想いを重視した形で取組みを進められ、問題を把握・課題を明らかにし、着実に前進されている企業様があることも確かです。

引用のように、情報やデータが意思決定をしてくれる訳ではなく、最善の解を求めるのは人です。
ならば我々は、その人の為に「如何に必要なデータを提供できるか」に挑まなければと思うのです。

レポート作成の効率化や自動化を図ることは勿論ですが、

  • データから価値を見出し、人が思考する場・意思決定する場に協力できたら…?
  • データを多角的・多面的に見せることで、なぜそれが起こっているのか原因を早期に探れたら…?
  • 重要な決定のタイミングを少しでも早める為には…?
  • 優れた決定を行う人の数を増やせたら…?


そのように考えて、日々の業務を行っています。

「21世紀の石油」と言われるデータ。賢く利活用すれば、大きな影響を与える存在であると信じています。

配信日:2022年9月22日

長榮 智和 / Tomokazu Nagae
ITストラテジスト / プロジェクトマネージャ / システムアーキテクト / PMP

2002年新卒入社。大手電機メーカー様の業務に長年従事。要件定義から開発/導入/運用/再構築と各フェーズを経験。 後半の10年程は、SCM・PSI領域の見える化(BI)業務にて PM・IT企画構想担当。中国(蘇州)・インドネシア(ジャカルタ)への海外出張も経験。 現在は、BI・IT コンサルタントとして、業務整理・業務改善・データ可視化などに携わっている。

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