【ITコンサルタントがおくるDX推進コラム-空を仰げば-】
第3回: やめる! 勇気
第3回: やめる! 勇気
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の空井(ソライ)と申します。
DX関連の情報をお伝えさせて頂くコーナーです。今回は 3 回目。
皆様のDX推進の気付きになれば幸いです。
現状業務を可視化するために業務の棚卸をすると、その多さ(業務の数)に驚き、圧倒されることがあります。
どれも大事な業務に見えるので、どこから、どのように改善すべきか、改善方法や優先順位づけに迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?
そんなときは、ECRS(イクルス)の原則を使ってみましょう。
ECRSの原則とは、製造現場の改善活動でよく使われる、次の4つの英単語の頭文字をとった業務改善の考え方です。
- 排除 (Eliminate) :業務をやめることができないか?
- 結合 (Combine) :業務を1つに結合することができないか?
- 交換 (Rearrange) :業務の順序や場所などを入れ替えることで、効率が向上しないか?
- 簡素化 (Simplify) :業務を簡単にすることができないか?
1. まずは業務をやめてみよう
まずは「E(排除) → C(結合) → R(交換) → S(簡素化)」の順番で改善を検討してみましょう。
最初に E(排除)=”やめる” ことから検討するには理由があります。
それは、”やめる”という方法は、代替策や改善策の検討が不要で、時間・コストをかけずに最も高い改善効果を生み出すことができるからです。
バックオフィスの定型業務に限らず、全ての業務には目的や理由があるものですが、これら目的を意識せず過去からの習慣で続けていることがあります。
業務の目的や理由がはっきりしないものは、思い切ってやめることを検討しましょう。
2. 自分以外に業務を任せる
また、「業務をやめる」のではなく、「自分でするのをやめる」というのも改善方法の一つです。
(ECRSの原則のR(交換)の観点)
自分の代わりに、ITツール(システム)、ロボット(RPA ※1)、社外の人(BPO ※2)に仕事を任せることも検討しましょう。
人は「現状維持バイアス」によって、無意識に同じ行動、習慣を続けがちです。
良い習慣、悪い習慣に関わらず。
だからこそ、「この業務は何のためにやっているのか?」を明確にし、業務の良し悪しを判断しましょう。
これまでやってきたことを疑って、いったんやめてみましょう。
勇気をもって。
※1:ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)
RPAツールを利用し、パソコン上でのルーチンワーク(繰り返し行う定型的な作業)を自動実行する技術などをいいます。
※2:ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)
企業の業務プロセスを一括して外部に委託するアウトソーシングの一種の形態をいいます。
配信日:2024年1月26日
ITコンサルティング活用事例インタビュー
株式会社エイワハウジング様
部門間連携と情報の精度を高めるルールづくり・定着化
組織内の業務連携プロセスに課題を抱えておられました。顕在化していた課題の根本原因は何か。本質的な課題の整理とその解決施策の立案をご支援させて頂きました。
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