【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第9回:掘り起こす

第9回:掘り起こす

いつもお世話になっております。
コンサルティングソリューション部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、 この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 9 回目。

以下、古典的名著「達人プログラマー」からの引用です。
原著の20周年版が2019年、和訳版の第2版が2020年11月に出版されていますので、 20年前の内容です。

『ヒント51:要求は拾い集めるものではなく、掘り起こすものである。』
『…(省略)…要求が表面上に現れていることはほとんどないのです。要求とは、通常の場合、さまざまな仮定、誤解、政策の奥底深くに埋められているのです。』
― アンドリュー・ハント、デビット・トーマス「達人プログラマー – システム開発の職人から名匠への道」


プロジェクトの初期段階における作業として「要求分析」や「要求ヒアリング」があります。
「自社の事業戦略をどうするのか?」を議論し、結果として「ビジネス上の具体的な要求」を導いていきます。
変革を伴うプロジェクトの立上げ意図・経営層の想いは、ビジネスプロセスを変え(古いプロセスを捨て)、 新しいビジネスプロセスを明確に定義し、業務運用まで繋げて、会社の発展に寄与するところにあります。

若造の頃(?)は「お客様が答え(正解)を持っているもの。上手く拾い上げればOK!」などと考えていましたが、 そんなに上手くは行きませんし、容易ではありません。

お客様さえ漠然としか掴めておらず、明文化・言語化がされていない「お客様が本当にやりたいこと」をキッチリと纏め上げることは、至難の技。 正に、長年の経験で培われた職人技です。

鵜呑みにせず、先入観を持たず、事前に構築した仮説を元に丁寧に掘り下げる。
経営層や業務部門と対話し、テキパキと推進する諸先輩方の姿を見て沢山勉強をさせて頂いたものです。

有効な 1 つの解法は、現場に”席”を頂戴して、一緒に業務をさせてもらうことでした。
現場でお客様と働くことで、多くを学び感じ取ることができました。

昨今はこれらの許可を戴けることも珍しく、スケジュールも大幅短縮され、利害関係者も多く、 システムも複雑で大規模に…。

色々と状況や環境の変化を上げればキリがありませんが、より高度なヒアリングスキルを求められるようになったと感じています。

もう 1 つ、同書からお気に入りの一節をメモしておきます。

『ソフトウェアは建築というよりもガーデニング(コンクリートではなく、より有機的なもの)に近いのです。』


まずは土壌。掘り起こすことから始める…。肝に銘じている言葉たちです。

配信日:2021年8月6日

長榮 智和 / Tomokazu Nagae
ITストラテジスト / プロジェクトマネージャ / システムアーキテクト / PMP

2002年新卒入社。大手電機メーカー様の業務に長年従事。要件定義から開発/導入/運用/再構築と各フェーズを経験。 後半の10年程は、SCM・PSI領域の見える化(BI)業務にて PM・IT企画構想担当。中国(蘇州)・インドネシア(ジャカルタ)への海外出張も経験。 現在は、BI・IT コンサルタントとして、業務整理・業務改善・データ可視化などに携わっている。

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