【コンサルコラム】
第13回:自動化のジレンマ

第13回:自動化のジレンマ

いつもお世話になっております。コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、 この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 13 回目。

本日は、とある化粧品情報誌に掲載されていたエッセイから。

「手作りなら、人の手が感じられれば、なんでもいいということではない。
 質がいいからこそ、思いやりがあるからこそ、ていねいに包みたくなるのだと思う。
 それが伝わってくるとき、幸福を感じる。」
― よしもとばなな

全社全部門から月次締め情報を収集し、手作業で数日を掛けて「管理会計資料」を作り上げ、 役員からの指摘を想定し、上下した数値の原因と対策を各部門へ確認。そして経営会議に臨む…。
これは多くの会社で見かける光景ですが、集計作業や帳票作成は、効率化・高速化・エラー排除など、 自動化の効果が大きく見込める業務の 1 つです。

ある時、長時間の打合せを重ね、インプット&アウトプットの詳細を調査・デモ作成を実施し、 手作業の工数削減が見込めた上で、集計作業・帳票作成の自動化をご提案した場面がありました。

ところが、ご担当者からの最終のお返事は NO。実装には至りませんでした。

「作り上げる過程で、差異や異常値を肌で感じることが重要であり、やはり自分で作らないと。」
「作りながら原因を追究しないと、役員への説明などできない。」
「多大な工数を消費したのだが、非常に申し訳ない。腹落ちした資料でないと意味が無いから。」と、 提案の却下理由をご丁寧にご説明頂きました。

もしかしたら「単純な費用アンマッチ」や「工数削減=人員調整と捉えられた」のかもしれませんが、 少なくとも私は、ご担当者や決裁者との会話ではそのようなご意向は感じられませんでした。
「何かいけなかったのだろうか…?当初から作業短縮が目的だったハズなのに…。」と反省。
同じような局面でも「是非お願い!いつできる?」と前のめりの賛同を得られることがあるのになぁと。

個人的に出した結論としては、当該企業にとっての対象業務は、決して単純な集計作業ではなく 『それ自体が “一連の意思決定業務” であり自動化してはいけない作業と判断されたのだ』
というもの。
今となっては真意確認や仮説検証する術は無く、考えさせられる出来事として印象に残っています。

最近では、熟練者が時と場合により柔軟に使い分ける判断基準や意思決定・複雑な制約・無意識行動をも取込んで計算を行う AI 技術もあると聞きます。
このような自動化・効率化のニュース・記事を見た時や、ご要望への対応を行う際には、 「自動化すべき理由」を明確にすると共に、自動化しない判断をされる際には「自動化出来ない本当の理由」を慎重に探らなければ…と、リマインドされるのです。

配信日:2021年12月10日

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