【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第25回:見えざるもの
第25回:見えざるもの
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 25 回目。
月別の売上が…、年間の利益を…、商品の原価率の…と、
数字やロジックを積上げて可視化し、超合理的な業務を行っている(と思っている)我々でも、
“魔力・小人・妖精” などの非合理的な “ファンタジーの世界” が作業中の会話の端々に出てきます。
『 多くの場合、経験的情報の視覚的表示は、せいぜい混乱した状況をクリアにする
コンパクトな要約としか考えられていない。これは現状において、部分的には真実だが、
グラフがもつ魔力を無視している。(…中略…) 視覚化が最高の状態に達すれば、
冷たく厳しい事実のみならず、感動や感情をも伝達することが出来るのだ。』
― 出典:データ視覚化の人類史 – グラフの発明から時間と空間の可視化まで
― マイケル・フレンドリー(著)、ハワード・ウェイナー(著)、飯嶋 貴子(訳)
原因不明のバグに取り憑かれたら「今日は帰ろ。朝までに妖精が対応してくれるよ」と帰宅を促したり、
変更した覚えのないソースに悩まされたら「小人の悪戯だ」とさっさとバックアップから戻します。
ゴリゴリの手作業を一瞬にして解決する自動化処理を作った PG は「魔法!?神!」と称賛を浴びます。
現実は、帰宅途中や入浴中のリラックス状態で頭に浮かんだアイデアが解決をもたらすのかもしれませんし、
作業過多による疲労により、意図しない修正をしてしまった影響が出ていたのかもしれません。
効率良く動作する処理は、魔法や魔力によるものではなく、紛れも無く緻密で精工に作られたロジックです。
いづれにしても、昔から脈々と語り継がれる「野暮なことを言わずに」という文化が気に入っており、
文学やアートや詩的な表現がサラっと出てくる現場を絶やしたくないな、と思うようになりました。
転じて、売上や利益や原価率も、単なる数字やロジックではなく「人が介在するもの」という点で、
背景にある意味や感覚や物語を「何か適切に言語化できないものか?」とモヤモヤしています。
思考し続けていれば、いつか天使が舞い降りて助言してくれるかも…。
そんな風に思っていたら、Web に気になる記事を見つけたのでご紹介をしておきます。
糸井重里さんと経営学者の野中郁次郎さんによる対談記事の抜粋(糸井さんのご発言)です。
『 つまり「売上」も、単に数字として見ることもできるけれど、
「実は人の心の集積ですよね」と考えていくこともできるわけです。その両方の考えを
まとめてくれるものが、なんだかいまの時代の次を表しているような気がするんですね。
僕はいま、このあたりを掘りたくて仕方がないんですよ。』
― 野中郁次郎先生は、 世界をどんなふうに捉えているか。 | 6)いまは「過剰分析」の時代。
― ほぼ日刊イトイ新聞:https://www.1101.com/n/s/nonaka_ikujiro/2022-07-20.html
さて、この文章も一晩寝かせて、”妖精”に推敲して貰った後に提出することにします。
素敵なメルマガ・コラムになっていることを祈ります。
配信日:2022年12月13日
ITコンサルティング活用事例インタビュー
株式会社エイワハウジング様
部門間連携と情報の精度を高めるルールづくり・定着化
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