【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第28回:聞かれていることに答えよ

第28回:聞かれていることに答えよ

いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、 この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 28 回目。

見積りのバイブルである「ソフトウェア見積り」は「Code Complete」と共にスティーブ・マコネルさんの名著。
有名な「不確実性のコーン(Cone of Uncertainty)」は、この書籍で出てきます。

経営陣が欲しているのは、「見積もり」ではなく「計画」である。
経営陣は「見積もった結果、間に合わないと思われます」という情報が欲しいのではなく、
「間に合わせるための計画」や、「間に合わせるために諦める機能を選ぶための判断材料」や、
「そのための追加コスト」などの情報を必要としている。
― 出典:ソフトウェア見積り – 人月の暗黙知を解き明かす –
― スティーブ・マコネル (著)

お客様との会議後の反省会で「まず、聞かれていることに答えよ」と先輩から良く指摘を受けました。
「お客様の質問をちゃんと理解しているか?関係無い内容は要らん、そんなもんは後や。ごまかすな。」と。

「いつできる?」と完成時期を問われているのに「現状の立て込み具合」をモゴモゴ言い訳していたり、 「こんな風にできる?」と技術的可否を問われているのに「実現の難しさ」をダラダラ説明していたり、 「これで合ってる?」と正否を問われているのに「正否の判断に至る過程」をズルズル演説してみたり…。
会話や会議で良くある光景ではないでしょうか。「端的に!」や「結論は?」と指摘されたら要注意です。

まずは「2週間後/3ヵ月先」といった時期、「できます/できません」の可否、「Yes/No」の正否を回答することが重要です。
もし、解を持ち合わせていない場合は「現在は明確な回答が出来ません」や「わかりません」といった回答をするべきです。
その後に、「理由は~」や「具体的には~」と説明や事例を交えて補足することになります。
つまり、「問われている内容に対して最初に回答を明示すべし。説明や事例はその後だ。」という訳です。

「えっ!?そんな簡単なことも出来ていないの?」「おいおい、大丈夫かよ…」とお考えかもしれませんが、 あらゆる場面で発生している問題であると感じています。悲しいかな、多くの場合、 我々は自分の立場や制約条件に固執し、相手が求めていることを見落としてしまうようです。

また、日本語は結論より先に説明や具体例を話すような構成が多いと言われています。
苦手だと感じる方は「Yes/No. Because I think ….」で表現される英語文の形式を意識してみると良いでしょう。

「きちんと質問に答えよう」「何を求められているのか?を考えよう」というコミュニケーションにおける 基本的な原則のお話でした。これらの原則を心に留めることで、認識齟齬や意思疎通の不良を解消し、 円滑なプロジェクト進行や効果的な意思決定を促進する助けとなります。

配信日:2023年6月9日

長榮 智和 / Tomokazu Nagae
ITストラテジスト / プロジェクトマネージャ / システムアーキテクト / PMP

2002年新卒入社。大手電機メーカー様の業務に長年従事。要件定義から開発/導入/運用/再構築と各フェーズを経験。 後半の10年程は、SCM・PSI領域の見える化(BI)業務にて PM・IT企画構想担当。中国(蘇州)・インドネシア(ジャカルタ)への海外出張も経験。 現在は、BI・IT コンサルタントとして、業務整理・業務改善・データ可視化などに携わっている。

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