【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第29回:先読みの力

第29回:先読みの力

いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 29 回目。

今回の引用は内田樹さんのホームページから。

「最悪の事態」を事細かく想像した上で、それが決して起きませんようにと強く念じることで
「最悪の事態」の到来を防ぐというのは、人間が太古からずっとしてきた祈りの一つのかたちである。
― 内田樹の研究室
― 最悪の事態を想像することについて:2023年1月13日 (2023年1月11日「週刊金曜日」)
― http://blog.tatsuru.com/2023/01/13_1558.html

とある先輩に対し「この人には勝てない…」と降参し、嫉妬した能力が、表題の「先読みの力」でした。
この先に起こりうる問題や出来事を事前に推測し、適切に判断し、テキパキと指示を出していくのです。
・後で〇〇になったら困るから、先に□□を準備しておこう!
・今後「〇〇が欲しい」と要望が出そうだから、実装すること考慮して設計しよう!
・次の会議で〇〇が話題に挙がる可能性が高いから、今週中に調査をお願い!
・コレが終われば、次はこちらの方向に動きそうだから、メンバーにも声を掛けておいて!
・ココは見えた!最終報告書を作り始めよう!(えっ?プロジェクトは始まったばかりですけど?)
…等々

なぜ事前に気付けるのか?どうして前以て予測が出来るのか?を尋ねたところ、
「経験と情報収集と想像力。少し先・その先・更に先…と、常に意識して生活すべし!」とのこと。

つまり、この能力は「”自然にできてしまう”という先天的な資質」ではなく、
「日々の心掛けによって後天的に身に付けられる(能力向上を図れる)」ということでした。

これは、プロジェクトマネジメントで使われる「リスク管理」のお話でもあるように思います。
発生しても慌てない様に準備することや発生確率を下げる働き掛けを行うなど、マイナスの
リスク(問題や障害)への対応だけでなく、積極的に計画を立てたり先手を打ってシェアの拡大を
狙うなど、プラスのリスク(機会や好機)にも焦点を当てます。

この辺りは、出来ていると平穏無事に過ごす事になります(プロジェクトがスイスイ進みます)が、 出来ていないと「勘所が悪い」「センスが無い」と片付けられてしまうもの…。

「常に意識して生活すべし」がミョーに刺さる今日この頃です。

配信日:2023年7月14日

長榮 智和 / Tomokazu Nagae
ITストラテジスト / プロジェクトマネージャ / システムアーキテクト / PMP

2002年新卒入社。大手電機メーカー様の業務に長年従事。要件定義から開発/導入/運用/再構築と各フェーズを経験。 後半の10年程は、SCM・PSI領域の見える化(BI)業務にて PM・IT企画構想担当。中国(蘇州)・インドネシア(ジャカルタ)への海外出張も経験。 現在は、BI・IT コンサルタントとして、業務整理・業務改善・データ可視化などに携わっている。

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