【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第30回:心を落ち着かせる

第30回:心を落ち着かせる

いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、 この場をお借りしてお話しさせて頂くコーナーです。今回は 30 回目。

プログラマー必読の書「Code Complete」には、500個を超える膨大なチェックリストが載っています。
「要求仕様の内容」「アーキテクチャ」「モジュールの品質」など、テーマごとにチェック項目が並びます。
興味深いのは「エラーを修正するテクニック」の 4 つ目の “リラックス” という項目です。

●エラーを修正するテクニック
 ・問題を理解する
 ・単に問題だけでなく、プログラムを理解する
 ・エラー診断を確認する
 ・リラックス
 ・オリジナルのソースコードを保存する
 ・問題を修正する。兆候を修正するのではない
 ・正しい理由に基づいてのみコードを変更する
 ・一度にひとつの変更をする
 ・作業したことを調べる。修正が正しいことを確認する
 ・同様のエラーを探す
― 出典:Code Complete 第2版 上巻・下巻 – 完全なプログラミングを目指して
― スティーブ・マコネル (著)

かつて、本番稼働中のシステムでエラー連絡がこようものなら、冷や汗と心臓の鼓動を感じながら調査する中、 上司や先輩から「とりあえず落ち着け。何が起っていて、どのような状態か、まずは状況の把握から!」と、 状況整理・問題の切り分けを補助されたお陰で、冷静な状態で問題に対処することの重要性を学んだのでした。

最近では、複数の納期に追われる中で、良い提案をしようと過度に意気込んでしまった際に、 「冷静さを失っている」「焦りが先行している」「奇を衒った案を考え始めている」などの、 黄色信号(もはや赤信号?)を捉えた時には、落ち着いて「情報整理に集中」と自分に言い聞かせます。

一例として、私が考える提案における情報整理の観点を以下に挙げておきます。

●目的を明確にする
 ・課題認識ができているか?
 ・顧客要望を正確に掴めているか?
 ・何を成し遂げたいのか?
●重要度と優先度を付ける
 ・何が重要な情報か?特定できているか?
 ・優先順位を設定して焦点を絞れたか?
●情報の出処と根拠を確認する
 ・誰が何を(何と)言ったのか?
 ・情報の信頼性を確保できているか?
●不足や漏れ、重複を確認する(MECE)
 ・足らない情報はないか?何が足らないのか?
 ・冗長でないか?
●不要な情報を削除する
 ・不要な情報は無いか?
 ・削ぎ落としたのか?シンプルか?

情報整理・言語化することで心を落ち着かせることができ、良い提案の基盤作りができると考えています。

配信日:2023年9月15日

長榮 智和 / Tomokazu Nagae
ITストラテジスト / プロジェクトマネージャ / システムアーキテクト / PMP

2002年新卒入社。大手電機メーカー様の業務に長年従事。要件定義から開発/導入/運用/再構築と各フェーズを経験。 後半の10年程は、SCM・PSI領域の見える化(BI)業務にて PM・IT企画構想担当。中国(蘇州)・インドネシア(ジャカルタ)への海外出張も経験。 現在は、BI・IT コンサルタントとして、業務整理・業務改善・データ可視化などに携わっている。

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