【BIコンサルタントが語るコンサルコラム】
第46回:興味を持って

第46回:興味を持って
いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の長榮(ナガエ)と申します。
システム構築・IT・業務改善・業務改革に関する情報や、業務において日々感じていることを、
この場をお借りしてお話しするコーナーです。今回は 46 回目。
以前にも引用した(※第9回コラム参照)、古典的名著「達人プログラマー」の一節を改めて紹介します。
手元にあるのは第1版。20周年版の和訳第2版はサブタイトルが「熟達に向けたあなたの旅」になっています。
「 ヒント1:自らの技術に関心を持つこと
あなたが自分の技術に関心を持たない限り、ソフトウェア開発には何の意味もなくなるのです。」
― 出典:達人プログラマー ―システム開発の職人から名匠への道
― アンドリュー ハント (著)、デビッド トーマス (著)、村上 雅章 (翻訳)
「対象業務に興味を持てよ…。疑問が湧くやろ?不思議だと思わんのかなぁ…。なぁ?長榮さん…。」
会議後、同社の技術者に向けて漏れたお客様の呟きは、方向転換を経て今も私の中で静かに反芻しています。
技術への興味・関心は当然として、ここでの「興味を持て」は、単に知識を仕入れろという意味ではありません。
自分の仕事や担当領域に関係することに意図的に目を向け、理解を深め、積極的に関わり、詳しく知りたいという欲求を持つことだと考えています。
その理解を起点に、自然に関連する周辺の事柄にも目を向けられるようになります。
自らや担当者に「なぜ?」と問い、「本当にそうか?」と確かめに行き、調べ、自分のものにしていくこと。これこそが求められている姿勢です。
例えば、私が実際に現場で耳にした例を挙げると…、
- 海を渡って届いた原料が港に入りきらなかったら?余った分はどう扱うの?計画にない港に寄るの?
- 店頭で定常商品が急に売り切れたら?代わりに何を勧めるの?在庫や調達への影響は?販売計画の変更は?
- 生産ラインで材料の一部に不良が見つかったら?全体を止めるの?続けるの?原因はどう追いかけるべき?
日々の業務では見えない制約や微妙な調整が無数に存在します。数値やルールだけでは
解決できない選択、現場の暗黙知や経験則が、結果を左右するのを目の当たりにしてきました。
企業ごとに掲げる「ビジョン」や「ポリシー」、あるいは「ウチの会社らしさ」といった概念が、
些細な判断の積み重ねを生み、全体の効率や品質、ひいては事業の流れそのものに影響を及ぼしていくのです。
さらに大事なのは「人に興味を持つ」ことではないでしょうか。誤解していただきたくないのは、
「相手を好き(嫌い)になる必要はない」ということ。これは好き嫌いの話ではないと考えています。
“人オブジェクト”の振る舞いをダンプし、トレースし、シミュレーションする、と表現すると良いでしょうか。
人は合理的に見えて、驚くほど非合理な選択をします。交渉術の世界では、言葉以上に沈黙や仕草に本音が滲み出ます。行動心理学は、人が同じ誤りを繰り返す理由を示しています。
歴史を振り返れば、時代を動かした決断の多くが数字や論理ではなく、価値観や感情に
根ざしていたことがわかります。文化人類学は、人々の「当たり前」がいかに多様かを示しています。
ほら、「メンバーが進捗を報告してくれないっ!」と PC 画面を見てイライラしているそこの貴方っ!
メンバーを観察してみたり(※第40回コラム参照)、オフィスを周遊して声掛けをしてみては?(※第32回コラム参照)
技術者の端くれとして思うのは、技術だけを磨いても生きた力にはならないということ。”旅”は長いのです。
配信日:2025年8月27日
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