【ITコンサルタントがおくるDX推進コラム-空を仰げば-】
第1回: ITツール(システム)を衝動買いしていませんか?

第1回: ITツール(システム)を衝動買いしていませんか?

いつもお世話になっております。IT コンサルティングサービス部の空井(ソライ)と申します。
本日よりDX推進コラム『空を仰げば』を連載することとなりました。
皆様のDX推進の気付きになれば幸いです。

テレビCMで「**のペーパーレス化で仕事が楽になった!」のキャッチコピーを見て、 「これウチの会社にも導入するといいかも」と思い、そのITツール(システム)の比較サイトを検索した、経理部のAさん。
最も機能的で、見た目も良く、クラウドなのでコストも安いということで、サービスサイトの購入ボタンをポチっと押してしまいました。
しかし、いざ使い始めると、思っていたよりも手間がかかることがわかり、導入効果が半減してしまいました…

Aさんの例は極端な例かもしれませんが、みなさんも”衝動買い”に近い方法で、ITツール(システム)を導入しようとしていませんでしょうか?
例えば「勤怠管理ツール」の導入を検討する場合、どのツールも機能面、費用面で違いが無いものが多く、どのように評価して選定すればいいのか迷う方も多いでしょう。
そこでお勧めするのは、RFP(Request for Proporsal)=提案依頼書 を使ったITツール(システム)の選定です。
RFPは、スクラッチ(特注)でシステムを開発する場合、 発注者がシステムインテグレーターなどのベンダーや開発者に対して提案書(見積書)を提出してもらうために作成する文書ですが、 クラウド型のITツールを選定する際にも作成すべきと考えます。
なぜなら、RFPはITツールを評価するための明確な基準となるからです。
RFPは、現状の課題を整理し、あるべき姿(業務プロセス等)を描き、それを実現するために必要なITツールの機能を整理する工程を経て完成します。
この工程は時間と労力がかかるものですが、ITツールで実現したいことや必要な機能を明確にすることができ、自社のITツール評価基準となるのです。

このように、RFPを作成することで評価基準が明確になり、適切かつ効果的なITツールの導入ができます。
ITツールは、一度導入するとなかなか入れ替えできないため、たとえどんなに簡単なツールであっても適切な手法で選定・導入しましょう。
経理部のAさんのような”衝動買い”的な方法で、失敗することのないように…

配信日:2023年12月1日

空井 達也 / Tatsuya Sorai
応用情報技術者

大手電機メーカーのグループ子会社にて、人事・総務・経理・法務などの管理部門業務に約20年間従事。 給与計算・社会保険の実務を経験し、管理部門業務のプロセス改善やシステム化による改善を実施。 2015年にカコムス株式会社へ入社し、経営管理部の責任者として管理部門全般を統括。 その後品質保証室にてマネジメントシステム (ISMS、PMSなど) の運用改善を推進し、2019年より IT コンサルティング案件に従事。

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